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「家族信託」について

更新日:

FMちゅーピー「円満相続安心くらぶ」(令和3年2月19日)」に出演しました。

ラジオ出演内容

FM ちゅーピー

毎月第3金曜日のこの時間は、「円満相続安心くらぶ」のコーナーです。
誰でもいつかは経験する「相続」に際し、愛する家族が争うことなく、円満に、そして相続後はさらに幸せになれるように、相続開始までの準備や相続に関する豆知識などについてご紹介します。

FM ちゅーピー

お話をお伺いするのは、円満相続支援士、税理士法人タカハシパートナーズの寺尾 大介(てらお だいすけ)税理士です。

寺尾大介

ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは!
税理士法人タカハシパートナーズの寺尾です。

FM ちゅーピー

寺尾さん、よろしくお願いします。
さて、本日はどんなお話をしてくださいますか。

寺尾大介

本日は、高齢者の財産管理、財産継承の一方法として注目されてきている「家族信託」について、ご説明したいと思います。

FM ちゅーピー

「家族信託」ですね。よろしくお願いします。

寺尾大介

はい。まず、「信託」とは何か?ですが、これは簡単に言いますと、財産を預けて、管理や処分を任せることです。

寺尾大介

登場人物として、財産を預ける人を「委託者」、財産を預かる人を「受託者」と言い、その財産から利益を受け取る人を「受益者」と言います。
賃貸不動産の所有者が「委託者」で、その不動産の管理運用を任されている人が「受託者」、賃貸収入を得る人が「受益者」と考えたら分かりやすいと思います。

FM ちゅーピー

なるほど、イメージできました。

寺尾大介

また、「信託」には大きく分けて、信託銀行などに財産を管理してもらう「商事信託」と、営利を目的としない人に財産を預ける「民事信託」があります。

FM ちゅーピー

「民事信託」は聞いたことがあります。

寺尾大介

そうですね。この「民事信託」のうち、信頼できる家族や親族に財産を託して、家族のために財産を管理、処分、継承する手法を総称して「家族信託」と呼びます。

FM ちゅーピー

なるほど、「家族信託」は、「民事信託」の一つ、ということですね。

寺尾大介

はい、そうなんです。
では、今なぜ「家族信託」が注目されているのかというと、主な理由の一つは、超高齢化社会に見られる長寿化で、特に心配されているのが「認知症」です。

FM ちゅーピー

認知症になると、どうなるんですか。

寺尾大介

はい、もし相続対策をしないまま認知症になった場合、その人はもう、不動産を売却したり、財産を贈与したりすることも、遺言書を作ることもできず、本来意図していた人に財産を渡すことも難しくなってしまいます。

寺尾大介

つまり、認知症になると判断能力がないことから、法律行為ができなくなるということですね。

FM ちゅーピー

なるほど。

寺尾大介

もちろん、これら懸案事項の対策はいくつかあって、その一つが「遺言書」なんですが、「遺言書」は本人が亡くならなければ効力が発揮されませんので、認知症の場合には対応できません。

寺尾大介

また、「任意後見人」を決めて法律行為を行うという方法もありますが、これは本人の判断能力が衰えてからしか効力が発生しないという欠点があります。

FM ちゅーピー

つまり、どちらも物足りないということですね。

寺尾大介

そうですね。これに対し、民事信託の場合は、自分が生きている間に財産の管理だけは相続人等に任せて、財産から発生する利益は自分が受け取ることもできますし、その信託内容はケースバイケースで設計することができますので、自分が考える目的どおりの資産運用や相続対策に柔軟に対応することが可能です。

FM ちゅーピー

認知症になった方の話はよく耳にするようになりましたし、いつ認知症になるかも分かりませんから、早めの検討が必要かもしれませんね。

寺尾大介

そのとおりですね。
相続対策の選択肢の一つとして、遺言や後見制度との組み合わせも考慮しつつ、検討されてみてはいかがかと思います。

寺尾大介

次に、「家族信託」をした場合の税金関係についてご説明します。
日本の税制においては、実際に利益を受ける人に税金が課税されるのが原則ですが、「家族信託」で利益を受けるのは「受益者」です。

寺尾大介

なお、「委託者」と「受益者」が違う人の場合は、委託者から受益者に信託財産を贈与したとみなされ、贈与税が発生します。このため、「委託者」と「受益者」を同一人物とするケースが多いようです。

FM ちゅーピー

なるほど。

寺尾大介

また、信託する財産が不動産の場合、不動産の名義を委託者から受託者に形式的に変更する「信託登記」を行う必要があり、この際、受託者に登録免許税がかかりますが、不動産取得税はかかりません。
そして、受益者は、毎年の収益について所得税の確定申告を行う必要があり、この確定申告を行うために、受託者は、収益が年3万円以上の場合、1月31日までに「信託財産の計算書及びその合計表」を税務署と受益者に提出する必要があります。

FM ちゅーピー

一般の申告に、受託者の計算書類の作成のひと手間が加わるんですね。

寺尾大介

そうですね。ところで、申告にあたって注意点があって、信託財産の収益が仮にマイナスとなった場合でも、他の所得との損益通算や、損失の繰り越しをすることはできないこととなっています。

FM ちゅーピー

えー、それはなんでですか。

寺尾大介

過去に、この信託の仕組みを使って多額の損失をあえて作り、課税所得を圧縮するという節税策が横行したため、その対策として税制改正されたようです。

FM ちゅーピー

そうなんですね。

寺尾大介

補足事項として、受託者が亡くなった場合、信託財産は受託者の相続財産になるのか?という疑問がありますが、信託財産は管理を任されているだけで、受託者の財産ではないため、相続財産には含まれません。

寺尾大介

ここで、信託財産の固定資産税は誰が払うのか?という疑問があると思いますが、不動産の名義人である受託者に納税通知書が届くことになりますが、この場合、管理費用として、信託財産の収益から差し引くことが一般的です。

寺尾大介

また、受益者が亡くなった場合の相続税はどうなるのか?という疑問については、「受益権」という相続財産として、相続税の対象となります。

FM ちゅーピー

なるほど。

寺尾大介

この「家族信託」は、認知症対策での効果はもちろん、子供さんがいらっしゃらない夫婦や相続人のいない方などの財産管理や相続対策として柔軟に活用いただける選択肢ですし、委託者が自身の財産の所有権を持ったまま、その管理や処分を信頼できる家族等に任せる制度ですので、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

寺尾大介

また、検討する上でのご不明な点等ありましたら、当所の無料相談を是非ご利用ください。

FM ちゅーピー

寺尾さん、本日もありがとうございました。

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