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法定相続人についてー「相続欠格」と「推定相続人の廃除」

更新日:

FMちゅーピー「円満相続安心くらぶ」(令和3年10月15日)」に出演しました。

FM ちゅーピー

毎月第3金曜日のこの時間は、「円満相続安心くらぶ」のコーナーです。
誰でもいつかは経験する「相続」に関し、愛する家族が争うことなく、円満に、そして相続後はさらに幸せになれるように、相続開始までの準備や相続に関する豆知識などについてご紹介します。

FM ちゅーピー

お話をお伺いするのは、円満相続支援士、税理士法人タカハシパートナーズの 寺尾 大介(てらお だいすけ)税理士です。

寺尾大介

ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは!税理士法人タカハシパートナーズの寺尾です。

FM ちゅーピー

寺尾さん、よろしくお願いします。さて、今日は、どんなお話をしてくださいますか。

寺尾大介

本日は、これまで何度も登場したワードの「法定相続人」について、少し特殊な場合の取り扱いをご紹介させていただきます。

FM ちゅーピー

法定相続人に関する特殊な状況の場合の豆知識ということですね。

 

寺尾大介

はい、そうです。「法定相続人」は、民法で定められた相続人のことを言いますが、「法定相続人」であればどんな場合でも相続する権利があるという訳ではありません。

 

寺尾大介

自分から相続を放棄する場合もありますが、これとは別に相続権が失われる場合が2つあります。
それが「相続欠格」と「推定相続人の廃除」です。

FM ちゅーピー

「相続欠格」と「推定相続人の廃除」ですか。具体的にはどういうものですか。

寺尾大介

これらは2つとも民法で定められている法律行為ですので、こういう場合には相続権がありませんよ、と決められています。

 

寺尾大介

まず、「相続欠格」についてですが、民法で定められている相続欠格に該当する事由を挙げますと、

 

寺尾大介

①故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者。

 

寺尾大介

②被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別、これは良いことと悪いことの区別という意味ですが、これがないときは該当しません。

 

寺尾大介

③詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者。

 

寺尾大介

④詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者。

 

寺尾大介

⑤相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者。
の5つの事由があります。

FM ちゅーピー

聞きなれないワードがたくさん出てきて、ボヤッとしかイメージできませんが、つまり、相続や遺言に関して、悪いことをした人には相続権がありませんよ、ということですか。

寺尾大介

そうですね。簡潔に言えばそういうことです。もう少し整理すると、被相続人の生命の侵害と遺言への不当な干渉をした場合に該当することとなります。

 

寺尾大介

この相続欠格事由にあたる場合には、審判や調停などの手続きを経ることなく、法律上当然に相続人ではなくなりますし、遺贈による受遺者になることもできなくなります。

FM ちゅーピー

なるほど、相続人になる資格がないという感じですかね。

寺尾大介

そういうことですね。
ちなみに、通常は自分に不利な内容が記載された遺言書だからという理由で遺言書を破り捨てることが予想されますが、もしその者にとって有利な内容が記載されていた場合には、欠格事由にはあたらないという裁判例もあるようです。

FM ちゅーピー

えー、そんなことをする人もいるんですね。

寺尾大介

ちょっと普通には考えられないですよね。
次に「推定相続人の廃除」です。まず、推定相続人とは、相続が開始した時に相続人となるべき人のことをいいます。

 

寺尾大介

そして、この「推定相続人の廃除」ですが、簡単に言うと、被相続人が、この相続人には財産を相続させたくないと考えた時にとる手続きのことです。

 

寺尾大介

もちろん法律行為ですので、どんな場合でも適用されるというものではなく、民法でその要件と手続きが定められていて、それは、「推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えた時、又は推定相続人にその他の著しい非行があった時は、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。」とされています。

FM ちゅーピー

虐待とか、暴力を振るわれた時に、相続させたくないと思ったらできる手続きということですね。

寺尾大介

はい、そうです。この手続きは生前にすることもできますし、遺言によって意思表示しておくこともできます。

 

寺尾大介

また、廃除の手続きをした後で、やっぱり相続させてあげようと考えが変わった時には、同じく家庭裁判所に廃除の取り消しを請求することもできますし、遺言で排除の取り消しの意思表示をすることも可能となっています。

FM ちゅーピー

そうなんですね。確かに、ケンカしていた時には財産をあげたくないと思ってても、何かのきっかけで仲直りしたら、やっぱり親子だったら、子供に財産をあげたいと思いますもんね。

寺尾大介

そうですね。ただ、この手続きは、家庭裁判所に請求さえすればなんでもかんでも認められるというものではなく、万一この制度を乱用してしまった場合には不公平な相続となってしまうので、かなり厳格に審議されており、推定相続人が服役中とかでない限り、非常に認められづらくなっているようです。

FM ちゅーピー

なるほど、乱用を防ぐということですね。

寺尾大介

はい。また、その理由として私が考えるのが、この「相続欠格」と「推定相続人の廃除」をした場合、その欠格者や廃除された者に子供がいた場合には、その子供が代襲相続人となることができるため、もしその子供が複数人いた場合には、相続税の基礎控除額が増えることになり、相続税で有利なことになるため、そういったことなども考慮されているのでは、と思っています。

FM ちゅーピー

確かに、そんなことも考えられますね。

寺尾大介

この制度を使われるご家庭はそんなに多くはないと思いますが、家族は財産にとらわれることなく、仲むつまじく暮らしていきたいものですね。

FM ちゅーピー

そうですね。寺尾さん、本日もありがとうございました。

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