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税理士法人タカハシパートナーズ
相続税申告の知識
KNOWLEDGE

「国外転出時課税制度」について

レディオモモ「まかせて相続」(平成31年3月28日)」に出演しました。

ラジオ出演内容

レディオモモ

お話しをお伺いするのは、相続のことならなんでもおまかせ。
税理士法人タカハシパートナーズ岡山支店の 仲村(なかむら)要(かなめ) さんです。宜しくお願いします。
さて、今日はどんなお話しでしょうか。

仲村要

おはようございます。
今日は、「国外転出時課税制度」についてお話ししたいと思います。

レディオモモ

「国外転出時課税制度」とは、どのような制度でしょうか。

仲村要

平成27年度税制改正で、国外転出時課税と呼ばれる「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」と、国外転出贈与・相続時課税と呼ばれる「贈与、相続、遺贈により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例」が創設され、平成27年7月1日から施行されています。

仲村要

これらを総称して「国外転出時課税制度」と呼んでいます。

仲村要

先ず、国外転出時課税ですが、施行日以降、国外転出により、国内に住所・居所を有しなくなる一定の居住者が1億円以上の有価証券などを所有している場合には、その資産の含み益に対して所得税が課税されます。

仲村要

含み益とは、取得してから譲渡があったとみなされる日までの時価との差額、値上がり益のことです。

レディオモモ

国外に転出しただけで所得税がかかる制度なんですね。

仲村要

はい。日本居住者が有価証券を保有したまま、株式譲渡益を課税しない国へ出国し、その国で有価証券を譲渡することにより、所得税の課税を回避するケースが増加したので、そのような租税回避行為を防止するため、日本からの出国時に、その含み益に所得税を課税する制度が導入さたようです。

レディオモモ

なるほど、そのような背景があるんですね。
次は、国外転出贈与・相続時課税についてお願いします。

仲村要

はい、次は、国外転出贈与・相続時課税です。
これは、贈与と相続、2つに分けて説明します。

仲村要

国外転出贈与時課税は、贈与の時において1億円以上の有価証券などを所有している一定の居住者である贈与が、国外に居住する親族等へ、所有している有価証券の全部又は一部を贈与した場合には、その贈与の時に、贈与者が有価証券を譲渡したものとみなして、贈与した有価証券などの含み益に所得税が課税されます。

レディオモモ

国外転出相続時課税は、亡くなった方に所得税が課税されるのでしょうか。

仲村要

はい。そのとおりです。

仲村要

国外転出相続時課税は、相続開始の時において1億円以上の有価証券などを所有している一定の居住者であった被相続人から、国外に居住する相続人等が、相続又は遺贈により、その有価証券の全部又は一部を取得した場合には、相続開始の時に、被相続人が有価証券を譲渡したものとみなして、被相続人が所有していた有価証券などの含み益に所得税が課税されます。  

仲村要

亡くなった方が所得税の確定申告をすることはできないので、相続人等が亡くなった方の所得について準確定申告を行うこととなります。

仲村要

それからもうお気づきかもしれませんが、贈与・相続の時はある一定の金額を超えれば、財産を取得した方に贈与税・相続税がかかると以前お話ししましたが、この制度は、含み益があれば、贈与者及び被相続人に所得税がかかる仕組みです。

レディオモモ

有価証券などが対象と説明がありましたが、有価証券以外の土地などは含まれないのでしょうか。

仲村要

対象となる資産のことを対象資産と呼び、対象資産は限定列挙されています。
・株式、投資信託などの有価証券
・匿名組合契約の出資の持ち分
・未決済の信用取引・発行日取引
・未決済のデリバティブ取引
が対象資産となります。聞きなれない資産もあるかと思いますが、土地は含まれません。

仲村要

対象資産については、含み益があるかどうかにかかわらず、全ての対象資産の合計額が1億円以上となるかを判定し、現在は、譲渡による所得が非課税となる国債、地方債などの公社債、NISA口座内の有価証券や、国外で所有している対象資産についても1億円以上となるかの判定に含める必要があります。

レディオモモ

国外転出予定のない方、親族に非居住者の方がいなければ、あまり気にしなくてもよさそうな制度ですね。

仲村要

はい、そうですね。
一概には言えませんが、富裕層の方々が気にする制度と言われています。

仲村要

それから、納税猶予制度を利用すれば、一定の要件の下、国外転出時課税制度の適用により納付することとなった所得税について、一定期間、納税が猶予されます。
また、一定期間内に、国外で対象資産を譲渡されずに帰国されたり、日本居住者への贈与及び日本居住者が相続により取得し、結果的に日本居住者が対象資産を所有することとなる場合など、まだ他にもありますが、一定の要件を満たせば減額措置があり、更正の請求により、国外転出時課税制度が適用された所得税申告を再計算できます。よって、納税した税金が戻ってくるケース、納税猶予制度を利用していて納税しなくても良いこととなるケースもあります。

仲村要

今日は、実際は売却していなくても、譲渡があったものとみなして含み益に課税される国外転出時課税制度の紹介でした。
国外転出時課税制度の対象となりそうな方は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

レディオモモ

今日は、税理士法人タカハシパートナーズ岡山支店の 仲村(なかむら)要(かなめ) さんにお越しいただきました。ありがとうございました。

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