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KNOWLEDGE

「相続法」について

更新日:

FMちゅーピー「円満相続安心くらぶ」(令和2年6月19日)」に出演しました。

ラジオ出演内容

FM ちゅーピー

毎月第3金曜日のこの時間は、「円満相続安心くらぶ」のコーナーです。
誰でもいつかは経験する「相続」に際し、愛する家族が争うことなく、円満に、そして相続後はさらに幸せになれるように、相続開始までの準備や相続に関する豆知識などについてご紹介します。

FM ちゅーピー

お話をお伺いするのは、円満相続支援士、税理士法人タカハシパートナーズの寺尾 大介(てらお だいすけ)税理士です。

寺尾大介

ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは!
税理士法人タカハシパートナーズの寺尾です。

FM ちゅーピー

寺尾さん、よろしくお願いします。
さて、本日はどんなお話をしてくださいますか。

寺尾大介

本日は、先月お伝えした「配偶者居住権」と同様、平成30年7月に改正された民法の「相続法」について、その概要をご説明したいと思います。

FM ちゅーピー

これまでも、配偶者居住権や遺言書に関する改正について説明がありましたが、その他にはどんなものがありますか。

寺尾大介

はい、日本人の高齢化の進展などによる社会環境の変化によって発生が増えてきた相続に関するトラブルを防ぐため、約40年ぶりに相続法の大きな見直しが行われました。その中でも大きな改正ポイントである「配偶者居住権の創設」と「自筆証書遺言に添付する財産目録の作成」、そして「自筆証書遺言書の法務局での保管制度の創設」については、すでにご説明しましたので省略しますが、これ以外にも相続に関する様々な改正がされていて、知っておかれて損はない情報だと思います。

FM ちゅーピー

えーっ、それは気になりますね。早速お願いします。

寺尾大介

はい、まずは、「婚姻期間が20年以上の夫婦間で行った居住用不動産の贈与」についてですが、以前は、この贈与をした場合でも、相続財産の各人の取得分を計算する際には、生前贈与分も含めて計算するため、結果的に贈与がなかった場合と同じことになり、被相続人が贈与した想いが遺産分割に反映されませんでしたが、改正により、この贈与財産については相続財産の計算からは外して計算することになりました。

FM ちゅーピー

あれっ、以前、贈与税の特例のお話の時に、配偶者間の居住用財産の贈与は相続財産に含めなくていいということだったと思いますが・・・。

寺尾大介

スゴイ!萩原さん!よく覚えてらっしゃいました。
そうなんです。相続税法の計算の中では、以前から配偶者控除の特例を適用した贈与財産は相続財産に含めないで計算することになっていましたが、民法の取り扱いではそうなっていなかったんですね。

寺尾大介

それが今回の改正で、長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与は配偶者の長年の貢献に報いるとともに、老後の生活を保障するという趣旨で行われることが多いので、その贈与の趣旨を尊重したものとなり、相続財産には含めないでいいことになって、配偶者はより多くの財産を取得することができるようになりました。

FM ちゅーピー

なるほど。民法と税法で取り扱いが違っていたんですね。

寺尾大介

はい、そうなんです。
では次に、「相続された預金の仮払い制度」についてです。
これは、死亡した人の預金口座は「凍結」と言って、相続手続きをするまで預金を引き出すことができなくなってしまいます。そうすると、葬式費用や生活費、家賃や借入金の返済などの支払いができなくて困ってしまうということが往々にしてありました。

FM ちゅーピー

それは私も聞いたことがあります。死亡すると預金が引き出せなくなるので、葬儀代とか必要なお金を事前に引き出しておくとか、ですよね。

寺尾大介

はい、そうですね。
余談ですが、そういう直前に引き出された現金が、例えば100万円くらいだとして、亡くなった時にはそのまま100万円が現金であるんですが、その後に葬儀費用なんかで使ってしまって、相続税の申告をする時には手元に残ってないので、ついうっかり申告に計上するのを忘れてしまうという事例が多く、税務署の調査でも必ずチェックされるポイントですので、相続税の申告する方は忘れずに財産計上してください。

FM ちゅーピー

確かに、申告する時になくなっていると、忘れちゃいそうですね。

寺尾大介

はい、気をつけてくださいね。
話を戻しますと、口座の凍結により支払資金に困った、といった不便を解消するため、今回の「相続預金の仮払い制度」が創設され、遺産分割前であっても預金の払い戻しを受けることができるようになりました。

FM ちゅーピー

なるほど。

寺尾大介

制度の具体的な内容を説明しますと、2つの方法があって、1つ目が預貯金債権に限り、家庭裁判所の仮分割の仮処分の要件を緩和するという方法、2つ目が預貯金債権の一定割合について、家庭裁判所の判断を得なくても金融機関の窓口で支払いを受けられる方法です。

寺尾大介

1つ目の家庭裁判所の仮処分となるとコストや時間がかかるので、2つ目の簡便な手続きが現実には一般的に利用されるのかなと思いますが、簡便な方法ですので仮払い金額に上限が設けられています。上限額の具体的な計算方法は、「相続開始時の預貯金債権の額×1/3×法定相続分」とされていますが、一金融機関の上限額は150万円と定められています。計算例で説明しますと、相続人は兄弟2人、相続預貯金の額は600万円とすると、600万円×1/3×1/2で100万円が仮払い金額の上限となり、100万円まで一人の相続人で仮払いを請求することができるということです。

FM ちゅーピー

それは助かりますね。

寺尾大介

はい、また、この制度ができたことによって、死亡の直前に慌てて預金を引き出しておく必要もなくなりますし、そうすると、現金の申告漏れも少なくなるんじゃないかなと考えていて、非常にいい制度だなと思っています。

FM ちゅーピー

そうなんですね。

寺尾大介

では次に、「相続開始後の共同相続人による財産処分」についてです。これはあまり一般的とは言えない制度ですが、見直しのポイントとしては、相続開始後に相続人の一人が、遺産分割協議をするまでに、遺産に属する財産を処分した場合に計算上生ずる不公平を是正する、というものです。

FM ちゅーピー

えーと、よく分かりません。

寺尾大介

ですよね。ざっくり説明しますと、相続開始前に、相続人のうちの一人が勝手に財産を処分してしまうと、これは違法行為として処罰の対象となっていたんですが、相続開始後から遺産分割協議までの間に相続人の一人が勝手に財産を処分してしまっても必ずしも違法とはされていなかったんですね。

FM ちゅーピー

えー、そうなんですね。

寺尾大介

そこで、今回の改正で新しい条文を作り、財産の分割前に勝手に相続財産を処分された場合には、処分者以外の相続人の同意があれば、処分された財産も残っていたものとみなして遺産分割の対象とすることができることとなりました。

FM ちゅーピー

なるほど、そういう問題も今まではあったんですね。

寺尾大介

はい。本日は以上となります。続きはまた次回ご説明したいと思います。

FM ちゅーピー

寺尾さん、本日もありがとうございました。

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